消防士の結婚

詞・曲　山本斉

彼は僕らを助けるために　危険なことは承知の上で

炎の中に突っ込んでいく　ボンベを背負いマスクをつけて

時には誰かの想いを胸に　時には誰かの命を背負う

僕らは何にもできないけれど　ただただ彼の無事を願う

だけどあなたにできることはそれだけじゃない　結ばれたからってはい、それまでじゃない

火を消すことが彼の仕事　彼の火をつけるのはあなたの仕事

本当のところ彼も弱い人間で　寂しさを紛らわすために誰かにかまったり

飲みつぶれて愚痴をはくこともある　泣きながら電話してくる夜もあったり

それでも彼は人の命を救う　だから彼が落ち込んだときはあなたが助けて

もちろんあなたも一人の人間だから　困ったときは彼を僕らに預けて

いつでもいつまでも彼を支えて　だけどどうにもならないときは彼を僕らに預けて

彼を愛することがあなたの仕事　彼を殴り飛ばすのは僕らの仕事

時には僕らと馬鹿なことだってするし　いい人なんて決して呼べないけれど

人を助けるときの彼はスーパーマン　もちろん空は飛べないけれど

スーパーマンだから時には彼はみんなのもの　それは仕方ないからわかってほしい

だけど彼と結ばれる権利はあなただけのもの　だから涙を拭いて笑ってほしい

消防士の仕事とは反対だけれど　二人の炎は絶やさぬように

今はまだ小さくて頼りない炎かもしれないけれど　僕らはずっと見守っていこう

雨の降る日も風吹く夜も道につまづいた時も　二人肩寄せ合って何十年の後も

心に決めたあなただけの大切な人と　幸せを築くのが二人の仕事